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公判の流れ

ここでは公判(いわゆる刑事裁判)の流れを解説します。

事実関係に大きな争いがなく、第1回公判で審理を終える事件を前提にしています。

1 はじめに → 2 人定質問 → 3 起訴状朗読 → 4 黙秘権告知 → 5 罪状認否 → 6 検察官冒頭陳述 → 7 検察官証拠取調 → 8 弁護人証拠取調 → 9 被告人質問 → 10 論告・弁論 → 11 結審

1 はじめに

公判は、裁判所内の法廷で行われます。

法廷の奧、一段高くなっている法壇に担当裁判官が座ります。

法壇の手前に席があり、法服を着た人が座っています。この人が裁判所書記官です。裁判所書記官は、法廷で発言をするのではなく、法廷での出来事を記録に残すのがその役割です。

法廷によって異なりますが、法廷の左側が検察官の席、法廷の右側が弁護人の席のことが多いようです。

弁護人の席の前に、長椅子が置かれています。被告人は、この長椅子に座ります。被告人が勾留されている場合、被告人の周囲に警察官・刑務官が座ります。

法廷の真ん中付近に証言台があります。被告人が法廷で発言するときには、証言台の前に移動します。

2 人定質問

開廷すると、被告人は証言台前に移動するように裁判官から指示されます。

まず、法廷に来ている人が本当に被告人なのかを確認します。

裁判官から、氏名、生年月日、住所、本籍地、及び職業を聞かれますので、被告人は回答します。本籍地等は被告人がとっさに回答できないこともあるようです。そのときには裁判官が「起訴状では本籍地が埼玉県所沢市狭山ヶ丘1丁目2996番地となっていますが、それで間違いないですか」等と助け船をだしてくれます。

3 起訴状朗読

検察官が起訴状記載の公訴事実を朗読します。被告人は、証言台前に立ったまま、聞いています。

4 黙秘権告知

裁判官から被告人に対して黙秘権が告知されます。

具体的な告知の方法は裁判官によって異なります。例えば、「貴方には黙秘権があります。質問に答えたくないときは、答えなくても構いません。最初から最後までずっと黙っていても構いません。ただし、貴方がこの法廷で話をしたことは、証拠となり、貴方にとって有利にも不利にもなりますから、発言するときには慎重に発言してください」等と説明があります。

5 罪状認否

裁判官が被告人に対して、検察官が朗読した起訴状記載の公訴事実の内容に間違いがないかを尋ねます。

間違いがないのであれば、「間違いありません」等と答えます。

続いて、裁判官は弁護人に対して公訴事実についての意見を尋ねます。弁護人は、「公訴事実は争いません」等と答えます。

罪状認否が終わると、被告人は証言台から元の席に戻るように裁判官から指示されます。

6 検察官冒頭陳述

ここから証拠調べが始まります。

まず、検察官が冒頭陳述をします。裁判官は、公判が始まるまでは起訴状しか見ていないのです。裁判官に事件に対する予断を抱かせないためです。

起訴状の公訴事実には、必要最小限の事実だけが記載されていません。裁判官は、まだ詳しい事件の内容をわからないのです。

そこで、証拠調べの冒頭に、検察官がこれから証拠に基づいてどのような事実を立証するのかを裁判所に対して陳述することになっています。これを冒頭陳述と言います。冒頭陳述では、被告人がどのような人物なのか、どのような経緯で事件が発生したのか等の事件の詳しい内容が言及されます。

被告人は、検察官の冒頭陳述を黙って聞いています。

7 検察官証拠取調

検察官の冒頭陳述が終わると、検察官が証拠の取調を請求します。裁判官が弁護人に検察官の証拠取調請求に対する意見を求めます。事実関係を争わない事件であり、証拠の内容に特に問題がないのであれば、弁護人は「いずれも同意します」等と回答します。

弁護人が同意した場合、裁判官は検察官が取調請求したものを証拠として採用する旨を決定します。

続いて、採用された証拠の取調が行われます。証拠を全文朗読していると時間がかかってしまいますので、実務上は、検察官が各々の証拠にどのような内容が書かれているのかという要旨を告知することになっています。要旨の告知が終わったところで、証拠の原本が検察官から裁判官に提出されます。

ここまでが終わったところで、被告人が起訴状記載の公訴事実の行為をしたことは立証されているはずです。

8 弁護人証拠取調

検察の立証が終わると、次は弁護人が立証をします。事実関係を争わない事件であれば、被害弁償が成立している、被告人を監督する親族がいる等の被告人の刑を軽くできる事情があることを立証します。

検察官と同様、弁護人が証拠の取調を請求します。被害弁償をしているのであれば、裁判官は検察官に弁護人の証拠取調請求に対する意見を求めます。特に問題がないのであれば、検察官は「いずれも同意します」等と回答します。

検察官が同意した場合、裁判官は弁護人が取調請求したものを証拠として採用する旨の決定をします。

続いて、証拠の取調が行われます。検察官と同様、弁護人も証拠の全文朗読をするのではなく、要旨の告知をします。

情状証人が採用されている場合、情状証人に対する証人尋問が行われます。

9 被告人質問

証拠調べの最後に、被告人質問が行われます。

被告人は証言台前に進みます。最初は弁護人から質問があり、被告人が質問に答えます。弁護人の次は検察官が被告人に質問します。検察官の次は裁判官が被告人に質問します。

質問することがなくなると、被告人は証言台から元の席に戻るように指示されます。

被告人質問が終わると、証拠調べは終わります。

10 論告・弁論

証拠調べが終わると、各当事者が意見を述べます。

まず、検察官が論告求刑をします。被告人のしたことがどれくらい悪いことかを説明しし、例えば「懲役1年6月に処するを相当」等と被告人にふさわしいと思われる刑を具体的に述べます。

次に、弁護人が弁論をします。被告人にも酌むべき事情があることを説明し、「執行猶予を付すことが相当」等と被告人の刑に関する意見を述べます。

最後に、被告人の意見陳述が行われます。被告人は証言台前に移動するように裁判官から指示されます。裁判官から「これで審理を終えますが、最後に何か言っておきたいことがありますか」等と意見を求められます。このときには、被告人質問のときのように質問に答えるのではなく、自由に発言してよいことになっています。「申し訳ありませんでした」等と短い発言を被告人が多いようです。中には、事前に書面を準備して、書面を読み上げる被告人もいます。

11 結審

被告人の意見陳述が終わると、裁判官は結審を宣言します。すべての審理が終わり、後は裁判官が判決を言渡すだけの状態になるのです。

通常は、結審したその日の内に判決が言渡されるのではなく、日を改めます。その場で裁判官、検察官、弁護人が話し合って判決言渡期日を決めます。判決言渡期日が決まると、裁判官は被告人に「次回期日は4月28日午後1時10分ですから,必ず出頭してください」等と判決言渡期日を告知します。

(2017年4月21日更新)


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