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Q「8年間分の遅延損害金も支払わないといけないのですか?」

地元の簡易裁判所から訴状が届きました。消費者金融のA社に裁判を起こされたようです。

8年程前に消費者金融から50万円を借りました。1、2回だけ返済しましたが、当時の勤務先を解雇され支払えなくなり、借入を放置していました。当時の住所からは引越し、住民票は古い住所のままにしていたので、督促状等は受け取っていません。電話での連絡は無視していました。最近になって再就職のために住民票上の住所を現在の住所に移転し、A社が私の住所を調べることができるようになり、裁判を起こされたようです。

借りたお金を返さなければいけないことはわかっています。疑問なのは、遅延損害金のことです。訴状によると、元金50万円だけでなく、遅延損害金も請求されています。遅延損害金の金額は、100万円を超えています。

元金の2倍を超える金額の遅延損害金を支払わなければいけないでしょうか? 現在の収入では、元金だけならばともかく、遅延損害金も含めた金額を支払うのは難しいのですが、どうすればよいのでしょうか?

A「消滅時効が完成している可能性があります」

金銭を借りて支払が遅れている場合、遅延損害金を支払う義務があります。遅延損害金の利率は、元金が10万円以上100万円未満の場合は26.2パーセントが上限です(利息制限法4条)。元金が50万円で8年間放置していたのであれば、遅延損害金が100万円を超えることはあり得ます。

ところで、貴方の場合、消滅時効が完成している可能性があります。銀行や貸金業者から金銭を借りた場合、5年間放置していれば消滅時効が完成し、法的には支払義務がなくなるのです。5年間の時効期間が経過するまでの間に貸主が訴訟等の法的手続をとれば、時効の経過がリセットされるというルールになっていますが、貴方の場合、A社から法的手続をとられたことはないようです。

消滅時効が完成しているのにA社が訴訟を提起したのは、消滅時効が完成したからといって借金が当然に消滅する訳ではないからです。時効による利益を受けるかは、当事者の意思に委ねられています。消滅時効によって借金の支払を免れるためには、時効の援用(時効による利益を受ける旨の意思表示)をしなければなりません。被告である借主が訴訟の中で時効を援用しない場合、裁判所としては貸主である原告の請求を認めざるを得ないのです。A社としては消滅時効が完成しているのを承知で訴訟を提起していると考えられます。

貴方の場合、既に訴訟を提起されているのであれば、訴訟の中で時効を援用するべきです。具体的には、次のような答弁書を裁判所に提出してください。

(2017年4月14日更新)


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