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Q「親の介護をしても相続分は増えないのですか?」

母が亡くなりました。相続人は姉(長女)と私(二女)です。遺産は実家の土地建物や預金です。

5年前に父が亡くなってから、母が実家で一人暮らしになりました。私は県外に嫁いだ姉に代わって実家に通い、母の身の回りの世話をしていました。母の認知症が進み介護が必要になってからは、母を自宅に引取って介護をしていました。

姉との間の遺産分割の話をしていますが、姉は遺産を折半にしたいとのことです。母の介護をしたのは私ですから当然私の方が割合が高くなり、7対3、せめて6対4になるのではないでしょうか。それなのに、姉は「法律では2分の1ずつということになっている」と言い張っています。

本当に親の介護をしても相続分は増えないのですか? そんな法律では親の世話をしなかった方が得をすることになってしまうのではないでしょうか。

A「寄与分が認められれば具体的な相続分が増えますが……」

兄弟姉妹の法定相続分は平等です(民法900条4号)。亡くなった親と同居していたか等、親との関係の深さは考慮されません。

相続人間の不公平を是正するために、相続人の中に「被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加につき特別の貢献(寄与)をした者がいる場合、その寄与をした相続人は、遺産分割の際に法定相続分により取得する額を超える額の遺産を取得する権利がある」(民法904条の2第1項)とされています。お母様に対する介護について寄与分が認められれば、貴方の具体的な相続分が増えます。

もっとも、寄与分が認められるのは容易ではありません。

まず、寄与分が認められるには、「特別の貢献」でなければなりません。親子の間には直系血族間の扶助義務がありますから、単に親と同居して介護をしただけでは扶助義務の範囲内であり、特別の貢献とはなりません。特別の貢献となるには、例えばそれまで仕事をして一定の収入をあげていたのに、親の介護に専念するために仕事を辞めた等の特別の事情が必要です。

また、寄与分が認められる場合でも、寄与分は割合ではなく、遺産の維持又は増加に貢献した具体的な金額で評価されます。例えば、通常であれば施設に入所するような状況なのに、貴方が介護に専念したために施設に入所することなく、施設の入所費用を支出する必要がなくなかったという事情があれば、施設の入所費用に相当する金額の分だけ遺産の維持に貢献したとして寄与分が認められます。このように寄与分は●万円相当と具体的な金額で評価されますので、相続分の割合が7対3や6対4になることはありません。遺産の総額が高額な場合、寄与分が認められても、遺産の総額に比べると少ない割合の金額にしかならないこともあり得ます。

(2016年5月1日更新)


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