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Q「行政書士の内容証明郵便を無視されたのですが?」

夫の浮気が原因で離婚しました。夫の浮気相手であるAさんに対して慰謝料を請求することにしました。行政書士の先生に依頼して、Aさんに対して慰謝料300万円の支払いを求める旨の内容証明郵便を送ってもらいました。

ところが、Aさんから返事がありません。Aさんの携帯電話に電話しても、電話にでません。行政書士の先生が作成した内容証明郵便ですから、法的に有効なものと思っていました。それなのに無視をするということが許されるのでしょうか?

行政書士の先生に相談すると、「行政書士ではこれ以上は対応できない」というのです。行政書士の先生に報酬を支払ったのに、これでは何の意味もありません。どういうことなのですか?

A「内容証明郵便は手紙ですから無視できます」

内容証明郵便(正確には、配達証明付きの内容証明郵便だと思います。)は、ただの手紙です。法的には、ハガキを送ったり、電子メールを送信しているのと違いがありません。配達証明付きの内容証明郵便が相手方に届いても、それによって何かの法的効果が生じるわけではありません。相手方としては無視しても構わないのです。このことは、作成者が行政書士であろうが弁護士であろうが違いがありません。

配達証明付きの内容証明郵便が普通郵便と違うのは、郵便局に記録が残ることです。普通郵便で手紙を出した場合、相手方が「そんな手紙は受け取っていない」と虚偽の説明をして言い逃れをすることができます。これに対して、配達証明付きの内容証明郵便では、①差出人が誰が、②受取人が誰か、③どのような内容の手紙か、④いつ発送したのか、⑤いつ受け取ったのかが郵便局に記録され、必要があれば後で郵便局が証明してくれるのです。そのため、ある手紙を相手方に受け取らせたということを記録に残したいときは、配達証明付きの内容証明郵便を使います。例えば、債権について間もなく消滅時効が完成しそうなので時効完成前に督促するとき等は配達証明郵便付きの内容証明郵便を使った方がよいでしょう。

行政書士の先生ではそれ以上対応できないというのは致し方ありません。理由は定かではありませんが、Aさんは任意の支払いを拒否する意向のようです。その場合、相手方に強制的に支払わせるためには、訴訟(いわゆる裁判)等の法的手続を執ることになります。ところが、行政書士の権限は、手紙の作成代行までしかできません。裁判所に提出する書類を作成したり、訴訟代理人として本人の代わりに裁判所に出頭すること等は行政書士にはできないのです。

相手方が手紙を受け取って素直に支払に応じそうなときや相手方が手紙を無視するのであれば諦めるつもりであったとき等は、行政書士に依頼するのもよいかもしれません。ですが、法的手続きを執ってでも相手方に支払いを求めたいのであれば、最初から弁護士に依頼した方がよいでしょう。


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